ジョルジョ・デ・キリコは本で作品を見て「好きだな~」と思っていたのですが、生でデ・キリコの作品をたくさん見られて満足!
形而上絵画をやっていた・シュルレアリスムが一時期接近していた、くらいしか事前知識がなかったので、解説も興味深く読みました。
古典の研究もやっていたのが意外でした。何度か古典的なモチーフに立ち戻りつつも、晩年まで似たモチーフを描き続けているのがすごい。晩年の(新)形而上絵画が一番好きかもしれない、くらいまである。自身の作風のアップデートを続けていけるすごい芸術家でした。
個人的には、この年代だったらこういう作風が流行ってるよね~から、いつも若干早いか、若干ずれている感じがして、デ・キリコの我の強さが感じられて面白かったです。
晩年に、人物モチーフがマヌカンから、輪郭がとげとげしている黒い影に変わったのも面白かったです。1969年の「橋の上での戦闘(The Battle on the Bridge)」がとてもかわいかったな~。人間というものが、精神(心)を失ったマヌカンから、身体も失って影になったのかなと考えたりしました。
幅広いスパンのデ・キリコの作品が一気に見れる、貴重な展覧会でした!
うーん、デ・キリコの世界観はやっぱり好きだな。